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[代表] 日根野 幸子さん
[住所] 旭山工業団地
[設立] 2013年8月
[従業員数] 全体:204名/旭山工場:約60名
[活用制度]津幡町商工業振興促進助成金
加賀種食品工業は、明治10年創業以来一貫して、最中の皮をはじめとした菓子種を製造してきた老舗企業です。
需要の増加に対応するため、2013年に津幡町・旭山工業団地に工場を新設しました。今回は専務の日根野逸平さんにお話を伺いました。
最中の皮は明治10年の創業以来、加賀種食品の主力商品となっています。
当社は最中の皮やふやきといった、菓子種と呼ばれるお菓子の材料を製造しています。明治10年、東京の神田で創業し、明治45年に現在の金沢市春日町に移転しました。
以来、100年以上にわたって、石川県から日本の和菓子文化の一翼を担ってきました。現在は北海道から沖縄まで全国の小売店やメーカーと取引しています。2015年は新幹線が開業したことによって、県内の需要も増えてきています。
本社は金沢市春日町にあるのですが、本社工場は近年の需要増加に伴い手狭になったため、新たな工場を建てる計画が立てられました。
当初は工場用地を金沢市内で探していたのですが、なかなか条件面で折り合いがつかず、あきらめかけていました。その後、金沢市近郊の町で探したところ、津幡町の旭山工業団地をご紹介いただくことができました。旭山はコストの面でも立地の面でも当社にマッチしており、また、津幡町の担当者が本社まで来て丁寧にご説明いただくなど、とても真摯な対応をしてくれたことで心が動き、津幡町に工場を建設することとなりました。
津幡町の旭山工場で精米、製粉した原料は、金沢市春日町の本社工場に運んで生地にし、最終的な最中の形に焼き上げるのですが、春日町と津幡町とは1本の道でつながっているので、スムーズに輸送することができます。
旭山工業団地はとても環境がよく、周りの企業の方も雰囲気のいい企業ばかりです。食品を扱う工場として、清潔感がある点も気に入っています。
また、以前から研究を進めていた金型製造も事業化のめどが立ったため、製造拠点を旭山工場に導入し、それまで外注していた金型の製作を自社で行うようになりました。最新の3Dプロッターや切削機を用いることで、それまで1か月かかっていた金型の製作が2週間で済むこととなり、大幅なコストカットと納期の短縮を実現できました。
津幡への新工場建設を決めた後、生産部門のおよそ30%が旭山に移転することとなったため、金沢市から津幡町へ配置転換になる人が50~60名ほどいました。通勤が不便になるため、正直なところ辞めてしまう社員もいるのではないかと考えていましたが、ありがたいことに、ほとんどの社員が辞めずに津幡町まで通勤してくれています。
菓子種製造は一部機械を使う工程もありますが、多くの工程が手作業で行われています。そのため、熟練の技術を持った社員が多く残ってくれたことで、とても助かりました。
今のところ、移転したことで津幡町の方を多く雇用したわけではないのですが、将来的には、雇用の面でも津幡町に貢献していきたいと考えています。